消費税(個人・法人)
請負工事を行っています。工事完成までに手付金や中間金の入金があった場合、入金時に課税取引として帳簿付けしてもよいですか?

ID:ida1460

建設工事を行っている場合、手付金や中間金は、入金時ではなく売上を計上したときに
課税取引として帳簿付けします。

建設工事の売上の計上基準は工事完成基準と工事進行基準の2つがあります。
工事完成基準・・・ 工事が完成し、引き渡しがあった時点で売上に計上します。
工事進行基準・・・ 工事の進捗度に応じて売上に計上します。
どちらの処理方法でも入金時に課税取引で処理することはありません。
※工事進行基準では、工事が完成し、引き渡しがあった時点で売上に計上する方法も
 認められています。

工事完成基準

【例】

手付金500万円 中間金1,000万円をそれぞれ普通預金に受け取り、工事が完成し引き渡しと同時に
残金1,800万円を普通預金に受け取った(工事代金総額3,300万円)
消費税は税込経理を採用している


【仕訳】
・手付金の受け取り時
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
普通預金 5,000,000円 未成工事受入金
5,000,000円 手付金の受け取り

※消費税の不課税取引です


・中間金の受け取り時
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
普通預金 10,000,000円 未成工事受入金 10,000,000円 中間金の受け取り

※消費税の不課税取引です


・工事が完成し、引き渡したとき
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
未成工事受入金 15,000,000円 完成工事高 33,000,000円 手付金・中間金
/工事完成高
普通預金 18,000,000円 残金の受け取り

※消費税の課税取引です


工事進行基準

【例】

手付金500万円 中間金1,000万円をそれぞれ受け取った。決算時には進捗度40%だった。
翌期になって工事が完成し、引き渡しと同時に残金1,800万円を普通預金に受け取った(工事代金総額3,300万円)
消費税は税込経理を採用している


【仕訳】
・手付金の受け取り時
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
普通預金 5,000,000円 未成工事受入金 5,000,000円 手付金の受け取り

※消費税の不課税取引です


・中間金の受け取り時
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
普通預金 10,000,000円 未成工事受入金 10,000,000円 中間金の受け取り

※消費税の不課税取引です


・決算時
売上高:工事代金総額3,300万円×進捗度40%=1,320万円
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
未成工事受入金 13,200,000円 完成工事高 13,200,000円 売上高(進捗度40%)

※消費税の課税取引です


・工事が完成し、引き渡したとき
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要
未成工事受入金 1,800,000円 完成工事高 19,800,000円 前期分残り/工事完成高
普通預金 18,000,000円 残金の受け取り

※消費税の課税取引です


「完成工事高」を使わず「売上高」で処理しても問題ありません。

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