法人の場合、事業を開始するまでの、開業準備のために特別に支出する費用を「開業費」とします。
一般的に事務所家賃や水道光熱費など、経常的(一定の間隔や頻度)に発生する費用は「開業費」にすることができません。
【例】
開業のために借りた事務所の家賃等260,000円を現金で支払った
内訳は、家賃80,000円 敷金100,000円 礼金80,000円だった
(契約期間は2年とする)
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
地代家賃 | 80,000円 | 現金 | 260,000円 | ○月分家賃支払い |
敷金 | 100,000円 | 敷金支払い | ||
地代家賃 | 80,000円 | 礼金支払い |
資産として考え、「投資その他の資産」区分の「敷金」などの科目で仕訳します。
なお、敷金のうち契約上、償却される部分の金額は、礼金と同様に仕訳します。
※礼金は、後で戻ってこないため「地代家賃」として経費で処理することができます。
20万円以上の礼金を支払った場合は「投資その他の資産」区分の「長期前払費用」として仕訳し、決算のときに契約期間に渡って経費にします。
【例】
開業のために借りた事務所の家賃等390,000円を現金で支払った
内訳は、家賃80,000円 敷金100,000円 礼金210,000円だった
(契約期間は2年とする)
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
地代家賃 | 80,000円 | 現金 | 390,000円 | ○月分家賃支払い |
敷金 | 100,000円 | 敷金支払い | ||
長期前払費用 | 210,000円 | 礼金支払い |
【例】
決算で、礼金を契約期間に渡って経費にする
(経費にできるのは6か月分とする)
210,000円×6か月÷(12か月×2年)=52,500円
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
長期前払費用償却 | 52,500円 | 長期前払費用 | 52,500円 | 礼金の償却 |