手形は、一定の期間後に支払うことを約束したもので現金の代わりになります。
企業間の取引では、現金の代わりに手形を利用することがあります。
小切手はすぐに現金化できますが、手形は支払期日がこないと現金化できません。
支払期日に支払うことを約束しているため約束手形といいます。
約束手形を振り出すには当座預金の口座が必要です。
●約束手形の決済
約束手形は、銀行に持って行き期日に自分の口座に入金してもらうことで現金化します。
期日までであっても利息は引かれますが銀行に買い取ってもらうことも可能です(手形の割引)
ただし、会社ごとに割引枠が決まっておりそれ以上のものは割り引けません。
約束手形を振り出す際には、記入額以上の残高が当座預金口座にある必要はありませんが、
期日には記入額以上の残高が必要です。(期日に残高不足の場合は、不渡手形扱いになります。)
●約束手形帳
約束手形は、通常20枚~50枚程度の約束手形帳という冊子になっています。
約束手形帳は、銀行から有料で発行してもらいます。
●注意点
■約束手形を振り出すときの注意点
・支払金額 ①チェックライターを使って印字します。
金額の前に¥マークを付け、金額の後ろに※マークを付けます。
②手書きの場合は漢数字を使います。
金額の前に「金」を、金額の後ろに「円也」を付けます。
・振出人の箇所に銀行印を押印します。
・控え(ミミ)の「振出日」「支払期日」「受取人」「金額」「摘要」は必ず記載します。
後で確認や帳簿付けに使用します。
・収入印紙を貼り、銀行印で割印をします。
■約束手形を受け取ったときの注意点
・金額欄に書かれた金額と回収金額が一致しているかを確認します。
・振出人欄に記載されている社名や代表者名などに間違いがないか、印鑑が押されているかを
確認します。
・収入印紙が貼られているか、割印がされているかを確認します。
・金融機関での手形割引、支払いのための手形譲渡、銀行取立入金など、どの場合も手形の裏書きが
必要です。
手形の裏に必要事項を記載します。
①手形の受取人欄に記載された受取人が常に第一裏書人となります。
②第一裏書人の欄に住所、会社名を記載し、銀行印を押印します。
③実務上、日付や被裏書人は記載不要です。
※約束手形以外に為替手形があります。
以前に比べ使われることは少なくなりましたが、特定の業種で比較的使われることがあります。
為替手形と約束手形との大きな違いは、引受人の記載です。為替手形は、振出人が引受人に支払いを
依頼するための手形なので、振出人と引受人とが併記されています。
しかし、実際には振出人と受取人が同じことが多いです。その場合には、引受人が約束手形を
引き出したのと同じ効果があり、代金の支払いは引受人が行い、振出人が代金を受け取ります。
為替手形の印紙は振出人が貼ることになります。