固定資産の取得や改良に充てるために国または地方公共団体の補助金や給付金など(以下「国庫補助金等」といいます。)の交付を受け、その国庫補助金等をもってその交付の目的に適合した固定資産の取得や改良をした場合には、以下のように仕訳します。
この内容は、固定資産の取得価額から国庫補助金等の金額を差し引く場合の処理方法です。この処理方法を行う場合、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を所轄の税務署に提出することが必要です。
【例】
国庫補助金等の対象になる固定資産を取得した
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
工具器具備品 | 320,000円 | 現金 | 320,000円 | ○○購入 |
【例】
国庫補助金等を申請し、受け取る補助金額が確定した
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
未収入金 | 200,000円 | 雑収入 | 200,000円 | 国庫補助金等の確定 |
※なお消費税は不課税です
【例】
固定資産の取得価額のうち、国庫補助金等の金額を差し引く
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
事業主貸 | 200,000円 | 工具器具備品 | 200,000円 | 固定資産の圧縮処理 |
【例】
国庫補助金等が、事業用口座に入金された
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
普通預金 | 200,000円 | 未収入金 | 200,000円 | 国庫補助金等の入金 |
【例】
国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書を提出するため、補助金額を収入から除く
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
雑収入 | 200,000円 | 事業主借 | 200,000円 | 補助金の総収入不算入 |
※なお消費税は不課税です
上記の例では、工具器具備品32万円の購入に対し補助金20万円をもらっているため、結果的に補助金額を差し引いた後の工具器具備品の取得価額は12万円になります。
仮に補助金額を差し引いた後の工具器具備品の取得価額が10万円未満となる場合は、少額減価償却資産として「消耗品費」で経費計上できます。その際は、上記の仕訳に加えて以下のように仕訳します。
【例】
補助金額を差し引いた後の工具器具備品の取得価額が8万円であったため、「消耗品費」として経費計上する
【仕訳】
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
消耗品費 | 80,000円 | 工具器具備品 | 80,000円 | ○○購入 |
上記の処理方法ではなく、固定資産の取得価額から国庫補助金等の金額を差し引かない処理方法もあります。どちらの処理方法を選択するかについてお迷いの場合は、税理士もしくは所轄税務署へお問い合わせください。
固定資産の取得価額から国庫補助金等の金額を差し引かない処理方法は、以下を参照してください。
国庫補助金等を受け取り、固定資産を取得または改良した仕訳(固定資産の取得価額から国庫補助金等の金額を差し引かない場合)