翌月分を前払いで支払う家賃について、普段支払時に「地代家賃」として経費処理をしている場合は、決算時の処理に注意が必要です。
翌年分の家賃は翌年の経費とする必要があるため、決算時には資産科目である「前払費用」に振り替え処理を行います。
そして翌年に繰越後に「前払費用」を「地代家賃」に振り替えます。
具体的には、以下のように仕訳をします。
【例】
翌年1月の家賃90,000円が、12月に普通預金口座から引き落とされた
【仕訳】
・12月に家賃が普通預金口座から引き落とされたときの仕訳
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
地代家賃 | 90,000円 | 普通預金 | 90,000円 | 1月分家賃支払い |
・決算時に翌年分の家賃を前払費用に振り替える仕訳
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
前払費用 | 90,000円 | 地代家賃 | 90,000円 | 1月分家賃を前払費用に振替 |
・翌年1月に前払費用を地代家賃に振り替える仕訳
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
地代家賃 | 90,000円 | 前払費用 | 90,000円 | 1月分家賃の経費計上 |
なお、重要性の低い費用の場合、毎期継続することを条件に決算時の前払計上を省略することができます。
決算時の前払計上を省略する場合は、翌年度(翌期)の家賃であっても、支払時に経費計上できます。
ご自身の取引において、決算時の前払計上を省略してよいかの判断に迷われる場合は、所轄の税務署もしくは税理士へご確認ください。