売上の入金時に顧客の立て替え経費を精算したときは、その立て替え経費の領収書を顧客へ渡すか渡さないかによって、仕訳方法が異なります。
- 立て替え経費の領収書を顧客へ渡す場合
この場合は、経費立て替え時には「仮払金(または立替金)」で仕訳しておき、入金時には経費立て替え時に支払った、「仮払金(または立替金)」が戻ってきた仕訳をします。
【例】
4月1日に顧客が支払うべき経費15,000円を立て替え払いしている。翌月に4月分売上100,000円と立て替え払いしている経費15,000円が普通預金に入金された場合
【経費立て替え時の仕訳】
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 仮払金(または立替金) 15,000円 現金 15,000円 お客さま負担経費の立て替え 【入金時の仕訳】
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 普通預金 115,000円 売上高 100,000円 4月分売上 仮払金(または立替金) 15,000円 4月1日立て替え経費 -
立て替え経費の領収書を顧客へ渡さない場合
この場合は、経費立て替え時には「旅費交通費」などの該当の経費科目で仕訳しておき、入金時には「売上高」として仕訳をします。
【例】
4月1日に顧客が支払うべき経費15,000円を立て替え払いしている。翌月に4月分売上100,000円と立て替え払いしている経費15,000円が普通預金に入金された場合
【経費立て替え時の仕訳】
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 旅費交通費 15,000円 現金 15,000円 立て替え交通費 【入金時の仕訳】
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額 摘要 普通預金 115,000円 売上高 115,000円 4月分売上と立て替え交通費の精算
インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始される2023年10月1日以降、顧客が消費税課税業者(本則課税)の場合には、立替金精算書および立て替え払いの元となる領収書等の証憑コピーまたは原本を顧客から求められる場合があります。
その場合、立て替え払いの元となる領収書等の証憑について、「記載されている宛名は誰か」、「証憑は適格請求書か否か」によって顧客へ添付するものが変わります。
立替金精算書等の詳しい内容については、最寄りの税務署に相談をお願いします。