定率法の場合は一定期間経過後に償却率が改定されます。
定率法の計算の流れ
- 判定
一定期間が経過したかどうかの判定を行います。
※償却保証額とは、資産の取得価額に当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額をいいます。
償却額と償却保証額とを比較し、償却額が償却保証額に満たない場合(償却額<保証額)は一定期間が経過したと判定します。 - 計算方法
※改定取得価額とは、「償却額<保証額」になった最初の年の期首帳簿価額をいいます。償却額≧保証額の場合 償却額<保証額の場合 期首帳簿価額×定率法の償却率 改定取得価額×改定償却率
※改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費の額がその後同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率をいいます。具体例
取得年月日 平成29年4月1日 期首日に取得 取得価額 100万円 耐用年数 8年 償却率 0.250 改定償却率 0.334 保証率 0.07909(償却保証額79,090円) 償却限度額
事業年度 償却限度額 未償却残高 30.03.31 1,000,000×0.250×12/12=250,000 750,000 31.03.31 750,000×0.250×12/12=187,500 562,500 02.03.31 562,500×0.250×12/12=140,625 421,875 03.03.31 421,875×0.250×12/12=105,468 316,407 04.03.31 316,407×0.250×12/12=79,101 237,306 05.03.31 237,306×0.250×12/12=59,326<償却保証額79,090
→ 237,306(改定取得価額)×0.334(改定償却率)×12/12
=79,260158,046 06.03.31 237,306×0.334×12/12=79,260 78,786 07.03.31 237,306×0.334×12/12=79,260 → 78,785
前年末未償却残高78,786円から備忘価額1円を除いた78,785円
が限度になります。1 同じものを経過年数別にまとめた表は以下のとおりです。
年数 期首帳簿価額 調整前
償却額償却保証額 改定取得価額
×改定償却率償却
限度額期末帳簿価額 1 1,000,000 250,000 79,090 250,000 750,000 2 750,000 187,500 79,090 187,500 562,500 3 562,500 140,625 79,090 140,625 421,875 4 421,875 105,468 79,090 105,468 316,407 5 316,407 79,101 79,090 79,101 237,306 6 237,306 59,326 79,090 79,260 79,260 158,046 7 158,046 39,601 79,090 79,260 79,260 78,786 8 78,786 19,696 79,090 79,260 78,785 1 ※償却額が償却保証額を下回った年度以降の計算式は同じ(改定取得価額×改定償却率)です。
※償却率、改定償却率、保証率は以下の表を参照してください。