弥生製品を運用するネットワーク環境についての注意事項を記載します。お使いのネットワーク環境を確認してください。
ネットワーク環境の変更や設定は、システムへ大きな影響を与える場合があります。
設定方法などが不明な場合は、必ずシステム管理者に確認してください。
「サーバー」とは、弥生製品のデータを保存するデータベースをインストールしたコンピューターを指します。
「クライアント」とは、弥生製品を操作するコンピューターを指します。
- ネットワーク(LAN)環境について
- データベースをインストールしたコンピューターの設定
- バックアップ用の共有フォルダーの初期設定場所と共有名
- ネットワーク上のコンピューターの設定について
- データベースについて
ネットワーク(LAN)環境について
弥生製品は常に事業所データと接続し、入力した取引などを保存するために安定したネットワーク環境で運用してください。
- 通信速度について
10Base-T以上のネットワーク環境で運用してください。 - 無線LAN について
無線LANの環境はネットワークの接続が不安定でデータ破損の原因になります。
有線LANの環境で運用してください。 - ネットワーク経路の確認
弥生製品を運用するコンピューター間でPINGコマンドを実行した際に正しく動作するネットワーク環境であることを確認してください。
PINGコマンドとは コマンドプロンプトから実行できるコマンドです。指定した IPアドレスを持ったコンピューターに対して、ネットワークの疎通を確認します。
- DNSについて
弥生製品を運用するコンピューターは、すべて同一のDNSに接続されている必要があります。また、DNSサーバーに関してもPINGコマンドが正しく実行できる必要があります。DNSが有効になっていない場合は正しく運用できないことがあります。DNSが存在しない場合、各クライアントのhostsファイルを適切に設定する必要があります。 - コンピューターのセグメント
サーバーとクライアントコンピューターのセグメントが異なる場合は、弥生製品からサーバーを参照することはできません。サーバーとクライアントコンピューターは同じセグメントで運用してください。 - その他のネットワークに関する注意
ネットワークハブが過度にカスケード接続されている場合は正しく運用できない場合があります。そのため、このようなネットワーク構成では使用しないでください。 - IP アドレスの割り当て
ルーターのDHCP機能を使い、IPアドレスを自動割り当てしている場合は基本的に問題ありませんが、IPアドレスを手動で割り当てている場合は、複数のコンピューターに同一のIPアドレスが重複して割り当てられていないことを確認してください。適切にIPアドレスが割り当てられていない場合は正しく運用できません。 - ルーターでの接続
ネットワーク上に複数のルーターが存在している場合、異なるルーターに接続されたコンピューター間では、弥生製品を正しく運用できないことがあります。同一のルーターに接続されているコンピューター間で使用してください。
また、ルーターの設定によって、データへのアクセスが遮断されることがあります。サーバーの IP アドレスを固定するなど、アクセスが遮断されないための対応をしてください。
データベースをインストールしたコンピューターの設定
- SQL Server ネットワークユーティリティの設定
SQL Server Configuration Manager(SQL Server 構成マネージャー)で確認できる「有効になっているプロトコル」にTCP/IPが入っていない場合は正しく動作しないことがあります(通常は初期設定されています)。 - 省電力の設定
弥生製品の起動中に、サーバーが「スリープ」や「スタンバイ」などの状態になると「事業所データとの接続が失われました」などのエラーメッセージが表示されます。サーバーの省電力の設定で「スリープ」や「スタンバイ」などの設定をしている場合は、「事業所データとの接続が失われました。」などのメッセージが表示されて、弥生製品を正しく運用できない場合があります。 - ファイアウォールの設定
ファイアウォール機能の制御により通信が遮断されていると、「サーバーにアクセスできませんでした」または「データベース(SQL Server)にアクセスできませんでした。」などのエラーメッセージが表示されてデータを開けません。この場合は、サーバー側のコンピューターのファイアウォール機能で、SQL ServerやSQL Browserへの通信を許可する必要があります。 - コンピューター名の変更
コンピューター名を変更すると、SQL Serverのすべてのインスタンスは使用できなくなります。
コンピューター名の変更は、システムに大きな影響を与えるだけではなく、SQL Serverを使用しているその他のソフトウェアが使用できなくなるなどの場合があります。コンピューター名を変更する前にシステム管理者に確認してください。
コンピューター名を変更する場合は、次の手順でYAYOIインスタンスのデータを移行してください。
YAYOIインスタンスを削除すると、YAYOIインスタンスに保存されているすべてのデータが削除され、元に戻すことはできません。操作前に必ずバックアップを保存してください。
- YAYOIインスタンスのすべてのデータをバックアップ 一括バックアップツールを使うとYAYOIインスタンスのデータを一括してバックアップできます。
- YAYOIインスタンスの停止
- YAYOIインスタンスを削除
- コンピューター名の変更
- データベース(YAYOIインスタンス)を再インストール
- 手順1で作成したバックアップファイルを復元
- ユーザーアカウントの設定
ワークグループを使用しているなど、ドメイン管理がされていない場合は、サーバーにアクセスするWindowsのユーザーアカウントを、サーバーで設定する必要があります。 - サーバーへのアクセス権限の確認
クライアントから新規データを保存したり、作成したデータにアクセスしたりするには、サーバーの「書き込み」「読み取り」「変更」のアクセス権限が必要です。
※ サーバーへのアクセス権限の設定方法は、ネットワークの構成により異なります。ネットワーク管理者にご確認ください。 - 共有フォルダーのアクセス権限の確認
バックアップファイルの作成と復元では、サーバーの次のバックアップ用共有フォルダー(「Backup」フォルダー)を一時的に使用しています。
この共有フォルダーの設定が行われていないとバックアップファイルの作成と復元ができません。
サーバーにアクセスしてバックアップファイルの作成や復元を行うには、クライアントのログインユーザーに、サーバーへのアクセス権限が必要です。アクセス権限の設定方法は、ネットワーク管理者にご確認ください。
バックアップ用の共有フォルダーの初期設定場所と共有名
- 弥生製品 ネットワーク for SQL以外 の場合
<システムドライブがCドライブの場合>
場所:C:\ProgramData\Yayoi\Backup
共有名:YAccBackup$ - 弥生製品ネットワーク for SQLの場合
弥生製品ネットワーク for SQLの場合、バックアップ用の共有フォルダーは自動で作成されません。サーバーの任意のフォルダーをバックアップ用の共有フォルダーとして設定してください。
バックアップ用共有フォルダーは、必ず作成してください。
ネットワーク上のコンピューターの設定について
- ドメインの使用
ドメインを使用する場合、すべてのコンピューターが同一のドメインに属している必要があります。異なるドメインに属するコンピューターから、別のコンピューターに保存されている事業所データをバックアップしようとした場合は、ユーザーのログインに関するエラーが発生する場合があります。そのような場合には、バックアップを実行しようとしたコンピューターからデータベースがインストールされているコンピューターをWindowsのエクスプローラーで参照し、ユーザーとパスワード認証によるログインをする必要があります。この作業は、どちらかのコンピューターを再起動するたびに行う必要があります。 - 互いのコンピューターが検索で見つけられる
事業所データの「バックアップ」や「バックアップの復元」は、データベースの機能だけでなく、Windowsのファイル共有も使用して行います。そのため、互いのコンピューターが、Windowsの検索機能で検索できるコンピューターでない場合は正しく動作しません。 - SQL クライアント設定ユーティリティ
cliconfg.exeで確認できる[プロトコルが有効になる順序]の最上位がTCP/IPになっている必要があります。
cliconfg.exeで「プロトコルの暗号化を設定する」にチェックが入っている場合はインストールができません。設定の変更についてはシステム管理者にご相談ください。
データベースについて
- データベース(YAYOIインスタンス)の削除
YAYOIインスタンスを削除すると、YAYOIインスタンスに保存されているすべてのデータが削除され、元に戻すことはできません。 - 復元先の SQL Server のバージョン
バックアップファイルは、バックアップ元のSQL Serverのバージョンよりも古いバージョンのSQL Serverには復元できません。バックアップ元のSQL Serverよりも新しいバージョンのSQL Serverに復元することはできます。
<例>- SQL Server 2017で作成したバックアップはSQL Server 2022で復元できる
- SQL Server 2022で作成したバックアップはSQL Server 2017で復元できない