随時改定の対象となる従業員
随時改定は、次の3つの条件すべてに該当する場合に行います。
- 固定的賃金に変動がある
- 固定的賃金の変動月から継続した3か月の支払基礎日数が各月17日以上ある
- 変動月から継続する3か月間の給与の平均額と標準報酬月額に2等級以上の差がある
- 固定的賃金に変動がある
随時改定では、固定的賃金に変動があった従業員を対象とします。
- 固定的賃金の変動月から継続した3か月の支払基礎日数が各月17日以上ある
固定的賃金に変動があった月を変動月として、この月に継続する3か月の各月の支払基礎日数が17日以上ある従業員を随時改定の対象とします。
<支払基礎日数の条件(10月に昇給が行われた場合)>
変動月から継続する3か月に支払基礎日数が17日未満の月が1か月でもあった場合は、継続する3か月とはならないため、随時改定は行われません。 - 変動月から継続する3か月間の給与の平均額と標準報酬月額に2等級以上の差がある
変動月から継続する3か月間の給与の平均額(報酬月額)から求めた標準報酬月額の等級が、現在適用している等級と比較して2等級以上の差がある従業員を随時改定の対象とします。
なお、2等級以上の差が生じていたとしても、「上がり上がり、下がり下がりの原則」に該当しない従業員は随時改定が不要ですので、注意してください。
上がり上がり、下がり下がりの原則
3か月の平均額に2等級以上の差が生じたときには、次の条件に該当する場合のみ随時改定を行います。
- 固定的賃金が上がり、3か月の平均額が2等級以上上がった場合
- 固定的賃金が下がり、3か月の平均額が2等級以上下がった場合
報酬の変動と3か月の平均額との関係は下図のとおりです。
<早見表>
次のような場合は、随時改定には該当しないものとして取り扱い、「月額変更届」の提出は不要です。
<例>
1等級の差でも随時改定する場合がある
原則として、随時改定は標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合に行われます。しかし、標準報酬月額には上限と下限があるため、この上限と下限に該当する従業員の給与が大幅に変わっても2等級の差がでないこともあります。
例えば、健康保険の49等級(標準報酬月額1,330,000円)の従業員は報酬がどんなに上がっても、健康保険の標準報酬等級の上限が50等級(標準報酬月額1,390,000円)のため、2等級以上の差がでません。
<上限・下限に該当する場合の取り扱い>
2等級以上の差がなくても、次表の「①現在の標準報酬月額」に該当する従業員で、固定的賃金の変動月から継続する3か月の給与の平均額が「②報酬の3か月平均額」になった場合には、随時改定を行い「③改定後の標準報酬月額」に改定します。