１．給与支給額の計算
２．給与支給額から控除される額の計算
３．給料明細の作成
４．給料の支払い
１．給与支給額の計算
給与の支給額は大きく分けて基本給と諸手当に分かれます。
給与の中心は基本給であり、それを補助するのが諸手当です。
「時間外勤務手当」「休日勤務手当」「深夜勤務手当」は該当する場合に
必ず支払う必要がありますが、それ以外の手当は会社で自由に決めることができます。
一般的には、役職手当、家族手当、住宅手当、通勤手当などです。
基本給と諸手当を計算し、支給額を決定します。
※給与の計算方法や締切日と支払日、支払方法などは、あらかじめ就業規則または給与規定、賃金規定で定めておく必要があります。
| 基準内給与 （原則として毎月同額） |
基本給 | 従業員の基本的な給与 | |
| 諸手当 |
役職手当 | 部長手当、課長手当など | |
| 資格手当 | 資格者に対する手当 | ||
| 家族手当 | 扶養家族に対する手当 | ||
| 住宅手当 | 住宅に関する補助 | ||
| 通勤手当 | 通勤にかかる費用 | ||
| 基準外給与 （通常の労働時間以外） |
諸手当 |
時間外勤務手当 | 残業代 |
| 休日勤務手当 | 休日出勤に対する手当 | ||
| 深夜勤務手当 | 深夜労働に対する手当 | ||
２．給与支給額から控除される額の計算
給与の支給額を計算したら、次は給与から差し引かれる金額を計算します。
給与支給額から控除されるものは大きく分けて法定控除とその他の控除に分かれます。
法定控除 ・・・ 法律で定められたもの 税金や社会保険料などです。
その他の控除 ・・・ 会社で独自に定めたもの 共済会費や財形貯蓄、旅行積立金などです。
| 法定控除 | 税金 | 所得税 | 国に納付する税金 収入から社会保険料などを差し引いた金額 に対してかかる 扶養家族や支給額によって異なる |
| 住民税 | 都道府県民税と市町村民税 前年度の所得から計算される |
||
| 社会保険料 | 健康保険 | 年金事務所や健康保険組合に支払う 病気やけがの治療費 会社、従業員で折半 |
|
| 厚生年金保険 | 年金事務所に支払う 年金 会社、従業員で折半 |
||
| 雇用保険 | 労働局（厚生労働省）に支払う 失業手当などに使用 会社、従業員で決められた割合で負担 |
||
| その他控除 | 共済会費 | 福利厚生の充実のための会費 | |
| 財形貯蓄 | 財産形成のための積み立て | ||
| 旅行積立金 | 慰安旅行などのための積み立て | ||
３．給料明細の作成
給与支給額と給与支給額から控除される額の計算が終わったら、支払金額が分かります。支払金額が分かれば、給与明細書を作成します。
給与明細書は、給与計算ソフトや市販の給与明細書を使用して作成するのが一般的です。
４．給与の支払い
給与の支払方法は、社員に直接現金を渡す方法と社員の銀行口座に振り込む方法の２つがあります。
労働基準法では、社員に直接現金を渡す方法が原則です。
実務上は、銀行振込が多いですが、その場合は次の３つの要件を満たす必要があります。
・労働者が同意していること（書面で残したほうがよい）
・労働者が指定する金融機関の労働者本人名義の口座に振り込まれること
・給与支払日に引き出しが可能なこと
銀行振込の場合は、給与（銀行）振込依頼書を作成し銀行に事前（3～4営業日前）に申請します。
社員に直接現金を渡す場合は、金種表を作成しあらかじめ必要な紙幣や硬貨の種類、枚数を
計算します。
社員に直接現金を渡す場合は、金種表を作成しあらかじめ必要な紙幣や硬貨の種類、枚数を
計算します。
※給与を支払ったときの仕訳は、以下のページをご参照ください。
・
従業員へ給与を支給したときの仕訳
