
法人設立後、事業を開始するまでの間に、開業準備のために特別に支出した費用は「開業費」で仕訳します。
一般的に、開業準備のために特別に支出する費用とは、以下のようなものが該当します。
- 広告宣伝費
- 営業開始に関わる研修費用
- 市場調査費用
- 印鑑や名刺の作成費用
- その他開業準備のために特別に支出する費用
「開業費」は繰延資産に分類され、開業した年に全額を償却(費用計上)したり、数年に分けて自由に償却することもできます。
ただし、以下のようなものは開業費に含めません。
- 事務所家賃や水道光熱費など、経常的(一定の間隔や頻度)に発生する費用
- 後で返還される敷金
- 10万円以上の固定資産
- 商品の仕入代金
上記内容は一般例のため、これ以外にも「開業費」に含めず処理する場合があります。
詳細については、所轄の税務署または税理士へご相談ください。
開業前に支払った経費の仕訳
【例】
4月1日に開業、開業日前に以下の費用を現金で支払った
- 3月23日 文房具、書籍 33,000円
- 3月27日 打ち合わせ交通費 22,000円
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
開業費 | 33,000円 | 現金 | 33,000円 | 3/23 文房具、書籍 |
開業費 | 22,000円 | 現金 | 22,000円 | 3/27 打ち合わせ交通費 |
※仕訳の登録日付は、開業日の4月1日にします。
※明細ごとに入力することが望ましいですが、詳細な内訳を別途集計している場合は、まとめて入力しても差し支えありません。
まとめて入力する場合は、1行にまとめて入力し、摘要欄は「開業準備 別紙明細」などとします。
開業前に支払った経費のうち、開業費に含めないものの仕訳方法
【例】
4月1日に開業、開業日前に以下の費用を現金で支払った
- 3月2日 事務所の敷金 100,000円、家賃150,000円
- 3月7日 事業用のパソコン 132,000円
- 3月9日 販売用商品 550,000円
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
敷金 | 100,000円 | 現金 | 100,000円 | 事務所敷金 |
地代家賃 | 150,000円 | 現金 | 150,000円 | 事務所家賃 |
工具器具備品 | 132,000円 | 現金 | 132,000円 | 事業用パソコン |
仕入高 | 550,000円 | 現金 | 550,000円 | 開業前仕入 |
※仕訳の登録日付は、開業日の4月1日にします。
その他、開業に関する処理方法については、以下をご確認ください。
開業前に事務所を借りたときの処理方法