給与の所得税の求め方(電子計算機の場合) 弥生給与 サポート情報

ID:ida19590

所得税の計算方法は[給与規定]で設定します。

給与所得に対する源泉徴収税額は、税額表を適用して算出しますが、給与計算を電子計算機などの事務機械により処理している場合、月額表の甲欄について財務省が告示する計算式により算出できるものとする特例が設けられています。

詳細は、国税庁ホームページの電算機計算の特例について を参照してください。

なお、税額計算の特例により求めた税額と、税額表により求めた税額に差額が生じることがありますが、年末調整で精算されます。

※税額表による計算方法は、 給与の所得税の求め方(税額表の場合) を参照してください。

定額減税対象者においては、以下の手順で計算された所得税は[(減税前税額)]に表示されます。定額減税について詳しくは 定額減税の月次減税事務の流れ を参照してください。

電子計算機等を使用して源泉徴収税額を算出する方法

  • その月の給与等の金額(課税支給合計)から社会保険料を控除して[社会保険料控除後の給与等の金額]を算出します。
  • 「表1」を使って、手順1で求めた [社会保険料控除後の給与等の金額]から[給与所得控除の額]を算出します。
    表1(給与所得控除の額の算出表)
    その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 給与所得控除の額
    以上 以下
    135,416円以下 45,834円
    135,417円 149,999円 その月の社会保険料控除後の給与等の金額×40%- 8,333円
    150,000円 299,999円 その月の社会保険料控除後の給与等の金額×30%+ 6,667円
    300,000円 549,999円 その月の社会保険料控除後の給与等の金額×20%+ 36,667円
    550,000円 708,330円 その月の社会保険料控除後の給与等の金額×10%+ 91,667円
    708,331円以上 162,500円
    ※給与所得控除の額に1円未満の端数がある場合、端数は切り上げます。
  • 「表2」を使って、配偶者、扶養親族の控除額を算出します。
    表2(人的控除の算出表)
    配偶者控除の額または配偶者特別控除の額※ 31,667円
    扶養控除の額 31,667円×控除対象扶養親族の数
    ※源泉控除対象配偶者に該当する人がいる場合

    所得者本人が障害者(特別障害者を含む)、寡婦、ひとり親、勤労学生に該当する場合は、該当するごとに扶養親族が1人いるものとして計算します。
    また、同一生計配偶者または扶養親族が、障害者(特別障害者を含む)または同居特別障害者に該当する場合は、該当するごとに扶養親族が他に1人いるものとして計算します。

  • 「表3」を使って[基礎控除の額]を算出します。
    表3(基礎控除の額の算出表)
    その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 基礎控除の額
    以上 以下
    2,162,499円以下 40,000円
    2,162,500円 2,204,166円 26,667円
    2,204,167円 2,245,833円13,334円
    2,245,834円以上 0円
  • 手順1で求めた[社会保険料控除後の給与等の金額]から、手順2で求めた[給与所得控除の額]、手順3と手順4で求めた控除の額を引いて、[その月の課税給与所得金額]を算出します。
  • 「表4」を使って、手順5で求めた[その月の課税給与所得金額]から所得税額を算出します。
    表4(徴収税額の算出表)
    その月の課税給与所得金額 税額の算式
    以上 以下
    162,500円以下 その月の課税給与所得金額×5.105%
    162,501円 275,000円 その月の課税給与所得金額×10.210%-8,296円
    275,001円 579,166円 その月の課税給与所得金額×20.420%-36,374円
    579,167円 750,000円 その月の課税給与所得金額×23.483%-54,113円
    750,001円 1,500,000円 その月の課税給与所得金額×33.693%-130,688円
    1,500,001円 3,333,333円 その月の課税給与所得金額×40.840%-237,893円
    3,333,334円以上 その月の課税給与所得金額×45.945%-408,061円

    ※税額に10円未満の端数がある場合、端数は四捨五入します。

    税額計算の特例により、求めた税額と税額表による税額との差異について

    税額表の税額は、その月の社会保険料控除後の給与等の金額を一定の階級ごとに区分し、その区分の中間値を基として計算している(例えば「175,000円以上177,000円未満」の場合には、176,000円として計算されます)のに対し、この税額計算の特例では、その月の社会保険料控除後の金額そのものを基として計算することになっています。
    そのため、税額計算の特例により求められた税額は、税額表による税額とは必ずしも一致しません。差額は年末調整で精算されます。


電子計算機等を使用して源泉徴収税額を算出する方法の例

以下の例で電子計算機等による所得税計算を行います。
給与総額 315,870円
うち交通費等の非課税給与額 15,000円
控除する社会保険料 24,680円
源泉控除対象配偶者 あり
控除対象扶養親族 子供1人(18歳)
  • 社会保険料控除後の給与等の金額を計算します。 315,870円-24,680円-15,000円=276,190円
  • 給与所得控除の額を計算します。 276,190円×0.30+6,667円=89,524円
  • 源泉控除対象配偶者・控除対象扶養親族の控除額を計算します。 31,667円×2人分(配偶者・子供)=63,334円
  • 基礎控除額を計算します。 40,000円
  • その月の課税給与所得金額を計算します。 276,190円-89,524円-63,334円-40,000円=83,332円
  • 所得税額を計算します。 83,332円×0.05105=4,254.0986円、10円未満四捨五入のため4,250円

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