やよいの見積・納品・請求書では、適格請求書（インボイス）の書式を使用して適格返還請求書（返還インボイス）を発行します。
適格返還請求書（返還インボイス）では、以下がわかるように入力し、適格請求書等保存方式の請求明細書または請求書（納品書）で発行します。
- 対価の返還を行った年月日：返品、値引きを行った日
- 対価の返還の基となった売上日：返品対象、値引き対象の売上日
- 適格返還請求書（返還インボイス）は、2023年10月1日以降の売上に対して対価の返還が必要となった場合に発行します。
- 「対価の返還の基となった売上日」は、年月日までの詳細な日付でなくともよい場合があります。詳細は国税庁ホームページでご確認ください。
国税庁ホームページ（消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するＱ＆Ａ）
（売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日の記載） - 税込10000円未満の場合、適格返還請求書（返還インボイス）の発行義務は免除されます。
国税庁ホームページ（消費税の仕入税額控除制度における 適格請求書等保存方式に関するＱ＆Ａ）
（返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格請求書発行事業者は、何か対応が必要ですか。）
（売上げに係る対価の返還等に係る税込金額が１万円未満である場合には、当該対価返還等に関し適格返還請求書を交付する義務が免除されるとのことですが、１万円未満の対価返還等とは、どのような単位となりますか。）
適格請求書（インボイス）の発行形式ごとの、適格返還請求書（返還インボイス）の発行方法を説明します。
| 適格請求書（インボイス）の発行形式 | 発行方法 |
| 請求明細書で個別に適格返還請求書（返還インボイス）を発行する | 個別の請求明細書として発行する |
| 請求明細書で適格請求書（インボイス）と適格返還請求書（返還インボイス）分をまとめて発行する | 請求明細書としてまとめて発行する |
| 請求書（納品書）で適格返還請求書（返還インボイス）を発行する | 請求書（納品書）として発行する |
個別の請求明細書として適格返還請求書（返還インボイス）を発行する
納品書または請求書で値引きまたは返品を入力し、請求明細書を作成して適格返還請求書（返還インボイス）を作成します。
ここでは返品に伴う適格返還請求書（返還インボイス）を作成する場合を例に説明します。
＜納品書、または請求書の入力＞
［納品書・請求書の作成］で返品対象について入力します。
| 項目名 | 入力内容 |
| 売上日 | 対価の返還を行った年月日：返品、または値引きを行った日を入力します |
| 得意先 | 適格返還請求書（返還インボイス）を発行する得意先を入力します |
| 商品名等 | 返品または値引きの内容をマイナス値となるように入力します 適格返還請求書（返還インボイス）とするには、対価の返還の基となった売上日である返品対象、値引き対象の売上日が必要です この例では、2行目で［摘要］を選択して、いつの売上に対して返品が発生したか、日付や伝票番号等を入力しています |
| 課税区分 | 返品、または値引き対象の課税区分を選択します |
| 税計算 | 請求明細書作成時に使用する税計算である「外税（請求明細書作成時に計算）」または「内税（請求明細書作成時に計算）」を選択します |
＜適格返還請求書（返還インボイス）の出力例＞
適格請求書（インボイス）の形式で、適格返還請求書（返還インボイス）の記載事項が必要です。
入力した納品書、または請求書から請求明細書を作成し、発行日（下図①）を必要に応じて変更します。
請求明細書で適格請求書（インボイス）を発行する手順は、以下を確認してください。
やよいの見積・納品・請求書で適格請求書（インボイス）を発行したい
請求明細書の「小計」を非表示にしたい場合
帳票作成オプションを変更後、請求明細書を作成します。詳細は以下を確認してください。
請求明細書作成時、伝票ごとの小計を表示させたくない
適格請求書（インボイス）と適格返還請求書（返還インボイス）分をまとめて発行する
請求明細書の発行時に、適格請求書（インボイス）分と値引きや返品分の適格返還請求書（返還インボイス）をまとめて発行することができます。
やよいの見積・納品・請求書で発行できる形式は限られているため、形式をあらかじめ確認のうえ適格請求書（インボイス）として発行してください。
ここでは、月締め請求の適格請求書（インボイス）と月締め請求の税抜売上合計額に対する10％相当の値引き（適格返還請求書（返還インボイス）対象）を1件の適格請求書（インボイス）としてまとめて発行する場合を例に説明します。
＜適格請求書（インボイス）分の入力＞
＜適格返還請求書（返還インボイス）分の入力＞
適格返還請求書（返還インボイス）に必要な項目を入力します。
| 項目名 | 入力内容 |
| 売上日 | 対価の返還を行った年月日：返品、または値引きを行った日を入力します ※締め請求の請求明細書の再下部に表示させるには、締め請求の期間内の新しい日付で登録する必要があります |
| 得意先 | 適格返還請求書（返還インボイス）を発行する得意先を入力します |
| 内訳、商品名等 | 返品または値引きの内容を入力します ※適格返還請求書（返還インボイス）とするには、対価の返還の基となった売上日である返品対象、値引き対象の売上日が必要です この例では、1行目で［摘要］を選択して、請求明細書に表示される明細行の表示を調整する行を挿入後、2行目で値引き内容を入力しています |
| 課税区分 | 返品、または値引き対象の課税区分を選択します |
| 税計算 | 請求明細書作成時に使用する税計算である「外税（請求明細書作成時に計算）」または「内税（請求明細書作成時に計算）」を選択します |
＜適格請求書（インボイス）と適格返還請求書（返還インボイス）をまとめた請求明細書の例＞
赤枠①は適格請求書（インボイス）としての項目、青枠②は適格返還請求書（返還インボイス）としての項目です。
この発行方法では適格請求書（インボイス）分と適格返還請求書（返還インボイス）分を合算して消費税額を求めます。
請求明細書で適格請求書（インボイス）を発行する手順は、以下を確認してください。
やよいの見積・納品・請求書で適格請求書（インボイス）を発行したい
- 請求明細書の明細は納品書（請求書）の日付順に表示されるため、返品や値引きをまとめて下部に集計することはできません。請求明細書の一番下に返品や値引き分を表示したい場合は、納品書（請求書）の入力日が納品書（請求書）の中で一番新しい日付になるように入力してください。
- 月締め請求に適格返還請求書（返還インボイス）をまとめる場合、返品や値引きを実施した日と請求明細書の発行日の間に会計期間の期末日（決算日）をまたがないよう注意してください。
請求書（納品書）で適格返還請求書（返還インボイス）を発行する
請求書（納品書）で適格返還請求書（返還インボイス）を発行することができます。
ここでは、返品の適格返還請求書（返還インボイス）を発行する場合を例に説明します。
適格請求書等保存方式で発行できるように設定してから、請求書（納品書）の入力を行ってください。
- ［メニュー］タブの［得意先・商品・設定］カテゴリから［設定］をクリックします。
- ［帳票作成オプション］カテゴリをクリックし、［納品書・請求書で、適格請求書等保存方式で表示・印刷する］にチェックを付けます。
＜請求書（納品書）の入力＞
| 項目名 | 入力内容 |
| 売上日 | 対価の返還を行った年月日：返品、または値引きを行った日を入力します |
| 得意先 | 適格返還請求書（返還インボイス）を発行する得意先を入力します |
| 内訳、商品名等 | 返品または値引きの内容を入力します ※適格返還請求書（返還インボイス）とするには、対価の返還の基となった売上日である返品対象、値引き対象の売上日が必要です この例では、2行目で［摘要］を選択して、返品対象の売上日を入力しています |
| 課税区分 | 返品、または値引き対象の課税区分を選択します |
| 税計算 | 「外税」または「内税」を選択します この例では「外税」を選択しています |
＜請求書（納品書）の出力例＞
帳票のタイトルは「請求書」でも「納品書」でも適格返還請求書（返還インボイス）として発行できます。
