弥生会計を期中に導入する場合、当期のデータを正しくするには、期首から導入前月までに発生した取引データを入力する必要があります。
勘定科目(補助科目)、部門、消費税設定を行っていない場合は、取引の入力を開始する前に設定してください。
補助科目の設定は、
得意先や銀行口座を追加(修正)したい
を確認してください。
部門設定は、
部門の登録
を確認してください。
◆部門設定はスタンダード、やよいの青色申告では対応していません。
導入前月までに発生した取引入力には、以下のパターンがあります。適したパターンを選択して入力してください。
表の「過去データ」とは、期首から導入前月までに発生した取引を指します。
<パターン1(推奨)> | <パターン2> | <パターン3> | |
過去データの入力 | 期首からの日々の取引をすべて入力 | 月ごとに科目別の累計額を入力 | 導入 前月末の残高を入力 |
前期繰越残高の入力 | 必要 | 必要 | 不要 |
導入年度の資料(試算表や決算書)の作成 | ○ | △ 月次資料の参照可 | △※1 月次資料の参照不可 |
消費税額の計算 | ○ | ×※2 | ×※2 |
次年度での残高試算表の前期比較 | ○ | ○ | ×※3 |
操作手順 | <パターン1>の手順 | <パターン2>の手順 | <パターン3>の手順 |
※1 法人の株主資本等変動計算書、法人事業概況説明書の月別の正しい集計、また個人の青色申告決算書の月別売上(収入)金額及び仕入金額の正しい集計はできません。
◆法人事業概況説明書はスタンダードでは対応していません。
※2 正しく計算されません。消費税申告書作成の際に確認が必要です。
※3 導入月の前月以前の月の前期比較はできません。
<パターン1>で取引データを入力する場合(推奨)
期首導入の場合と同様の作業を行います。
前期繰越残高を入力して、導入月前月以前の取引をすべて帳簿や伝票から入力します。
- クイックナビゲータの[導入]カテゴリから[科目残高入力]をクリックして[前期繰越残高]に、前期からの繰越残高を入力します。 前期繰越残高(開始残高)の入力
- 導入時点までに発生している本年度の取引を帳簿や伝票からすべて入力します。 取引の入力を始める前に([伝票][帳簿]入力の特徴について)
- 導入時点までのすべての取引の入力が完了したら、[残高試算表]を印刷して、金額を確認します。 過去データの入力後の確認
<パターン2>で取引データを入力する場合
前期繰越残高を入力して、導入月前月以前の取引を月ごとに累計して振替伝票で入力します。やよいの青色申告以外は先に注意を確認してください。- クイックナビゲータの[導入]カテゴリから[科目残高入力]をクリックして、前期繰越残高に、前期からの繰越残高を入力します。 前期繰越残高(開始残高)の入力
- 勘定科目の月ごとの累計額を振替伝票から入力します。
- クイックナビゲータの[取引]カテゴリから[振替伝票]をクリックします。
- [日付]を入力します。4月分を入力する場合は4月の末日、5月分を入力する場合は
5月の末日を入力します。 - 金額を入力する勘定科目(補助科目)を、「借方」と「貸方」の両方で選択します。
- 科目ごとに、月ごとの合計額を[借方金額]と[貸方金額]に入力します。
例えば、5月に以下のような取引が発生していた場合日付 借方 貸方 5/1 現金 30,000円 普通預金 30,000円 5/10 旅費交通費 5,000円 現金 5,000円 5/15 現金 50,000円 売上高 50,000円 現金勘定の[借方金額]には、5/1と5/15の取引で「借方」に発生した合計額80,000円と入力します。
現金勘定の[貸方金額]には、5/10の取引で「貸方」に発生した分のみなので、5,000円と入力します。 - すべての科目の入力が終わったら、[登録]をクリックします。
「貸借バランスが合っていないため、登録できません。」のメッセージが表示された場合は、参考にした資料と、入力した金額とを確認し、間違いを修正してください。
- 新しく表示された振替伝票で、次月の累計金額を同様の手順で登録します。
- 導入月前月までの累計金額の入力が終わったら、各月度の[残高試算表]を印刷して、金額を確認します。 過去データの入力後の確認
<パターン3>で取引データを入力する場合
導入月前月末の勘定科目ごとの残高を振替伝票で入力します。手元の資料に科目の残高のみが記載されている(残高試算表のように取引の増減額の記載がない)場合に行います。
「繰越利益《法人》」「元入金《個人》」を計算して伝票で入力する必要があります。やよいの青色申告以外は先に注意を確認してください。
ここでは会計期間を4月~3月の1年間とし、6月から導入する場合を例に説明します。
法人データの場合、株主資本等変動計算書の作成や、法人事業概況説明書の月ごとの金額集計は正しくできません。
◆法人事業概況説明書はスタンダードでは対応していません。
- 期首(4月)から導入月前月(5月)までの残高を[振替伝票]で入力します。
- クイックナビゲータの[取引]カテゴリから[振替伝票]をクリックします。
- [日付]を入力します。導入月の前月の末日を入力します。前月末日の「5/31」と入力します。
- 金額を入力する勘定科目(補助科目)を、「借方」と「貸方」の両方で選択します。
- 借方科目(現金、預金勘定など)の場合は、「借方」に金額を入力し、「貸方」は0のままにします。
貸方科目(買掛金、借入金勘定など)の場合は、「貸方」に金額を入力して、「借方」は0のままにします。 - 同じ手順で、すべての科目の残高を入力します。
利益(損失)の金額は、残高試算表などの参考資料から計算した金額を、法人の場合は「繰越利益」勘定、個人の場合は「元入金」勘定を使って入力してください。
- すべての科目の入力が終わったら、[登録]をクリックします。
「貸借バランスが合っていないため、登録できません。」のメッセージが表示された場合は、参考にした資料と、入力した金額とを確認し、間違いを修正してください。
- 導入月の前月の[残高試算表]を印刷して、金額を確認します。 過去データの入力後の確認
振替伝票で累計額を入力するときの注意(パターン2、3の場合)
パターン1以外の方法を行う場合は、累計額を振替伝票から入力します。振替伝票の入力では次のことに注意してください。
- 消費税が税抜処理の場合課税売上や課税仕入などの課税科目の税計算区分を「別記」にします。
仮受消費税等、仮払消費税等は別に入力します。 - 部門を登録している場合前期繰越残高を部門別で入力した場合は、振替伝票で入力する科目別の累計額も部門別で集計した金額を入力する必要があります。部門は、仕訳入力時に選択します。
- 簡易課税の場合で複数の事業区分を使用している場合事業区分ごとに売上高を集計したい場合は、事業区分ごとに売上高を累計してそれぞれ仕訳を入力してください。事業区分は、仕訳入力時に選択します。
◆ 弥生会計はグレードにより機能が異なります。本文中の一部の機能は、グレードによっては搭載されていないことがあります。
詳細の確認は弥生会計はこちら、やよいの青色申告はこちら