弥生販売での消費税の計算方法 弥生販売 サポート情報

ID:ida20288

弥生販売では伝票の[税転嫁]欄に表示された方法で消費税を計算します。
伝票の[税転嫁]は得意先台帳や仕入先台帳で取引先ごとに設定した内容が初期値で表示されますが、その都度変更することもできます。
このコンテンツでは、以下を説明します。

適格請求書(インボイス)で使用できる税転嫁

適格請求書(インボイス)では、消費税計算と端数処理が一度と決まっているため、発行する請求書の種類によって、利用できる税転嫁(消費税の計算方法)が限定されます。
適格請求書(インボイス)の発行方法と使用できる税転嫁は以下のとおりです。

適格請求書(インボイス)の発行方法使用できる税転嫁
請求明細書(締め請求)

以下のうちいずれか1種類を使用します。
外税の場合は外税/請求時調整の使用をお勧めします。

  • 外税/請求時調整(おすすめ)
  • 外税/請求時
  • 内税/請求時
※売上伝票・見積書・受注伝票に消費税額を表示しません
請求明細書(都度請求)
  • 外税/伝票計
  • 内税/総額
納品書、請求書
(売上伝票画面から発行)
  • 外税/伝票計
  • 内税/総額
支払明細書(締め請求)※

以下のうちいずれか1種類を使用します。
外税の場合は外税/払締時調整の使用をお勧めします。

  • 外税/払締時調整(おすすめ)
  • 外税/払締時
  • 内税/払締時

※支払明細書は弥生販売 スタンダードにはありません。なお、支払明細書のインボイス対応は必要に応じて行います。

  • 請求明細書で適格請求書(インボイス)を発行する場合、請求明細書と納品書(売上伝票で出力する帳票)の両方で消費税を表示することはできません。
    納品書(売上伝票で出力する帳票)に消費税を表示させたい場合、納品書(売上伝票で出力する帳票)を適格請求書(インボイス)として発行します。
  • 請求明細書で適格請求書(インボイス)を発行する場合、複数の税転嫁を混在させることはできません。
    税転嫁を変更する場合は、請求締切(支払締切)が終わった後のタイミングで得意先台帳(仕入先台帳)の設定を変更し、税転嫁が混在しないよう注意してください。
  • 合計請求書は適格請求書等保存方式に対応していません。納品書(売上伝票で出力する帳票)を適格請求書(インボイス)として発行するか、請求明細書での発行に切り替えてください。
    合計請求書で適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応できますか

税転嫁を変更する場合は、以下を確認してください。

税転嫁(消費税の計算方法)を変更する方法と注意事項

税転嫁ごとの消費税の計算方法

税転嫁ごとの消費税が計算されるタイミングや、伝票や請求書に表示される消費税については以下を確認してください。

税転嫁 消費税の計算方法 消費税表示
伝票
[消費税額]欄
請求書
(支払書)
[明細部][鑑]欄
月締めの請求明細書(支払明細書)を適格請求書(インボイス)にする場合に使用できる税転嫁
外税/請求時
(払締時)
[請求締切(支払締切)]処理を行うと消費税が計算されます。 表示されない 表示される
外税/請求時
(払締時)調整
伝票作成時と締切時の2段階で消費税が計算されます。
伝票作成時の消費税は仮の消費税額として売掛残高一覧表等のレポートで確認できます。
請求書には締切時に計算された消費税額が表示されます。伝票作成時に計算した消費税の合計額との差額は、締切を行うとレポートに反映されます。
表示されない 表示される
内税/請求時
(払締時)
[請求締切(支払締切)]処理を行うと消費税が計算されます。 表示されない 表示される
売上伝票で発行する帳票(納品書または請求書)、または、都度請求の請求明細書を適格請求書(インボイス)にする場合に使用できる税転嫁
外税/伝票計 伝票単位で消費税が計算されます。 表示される 表示される
内税/総額 商品単価が税込金額で表示され、売上金額なども税込金額で計算されます。 表示される 表示される
外税/手入力 伝票入力時に消費税を手入力します。 表示される 表示される
適格請求書(インボイス)に対応していない税転嫁
内税 商品単価が税込金額で表示され、売上金額なども税込金額で計算されます。 表示されない 表示されない
輸出(免税)※ 消費税は計算されません。

※[輸出(免税)]は仕入では使用できません。

元帳/レポートについて

ここでは売掛残高一覧表で説明していますが、買掛残高一覧表でも同様です。
※弥生販売 スタンダードには買掛残高一覧表はありません。

■税転嫁で[外税/請求時]を選択している場合の注意点

※取引先の締日と自社の会計期間が異なる場合
請求締切を行ったのにもかかわらず、消費税が手計算した金額と異なる場合があります。
これは売掛残高一覧表で表示される[消費税]が取引先の締日で計算された消費税額のためです。
指定している月度の売掛に対する消費税額ではありません。
以下の例で説明します。

例)自社会計期間1日~末日
A商事 [税転嫁]外税/請求時 締日毎月20日
3月度売上額(3/1~3/31)・・・売上額100,000円、消費税額10,000円
3月20日請求書(2/21~3/20)・・・売上額80,000円、消費税額8,000円

請求締切を行った3月20日までの売上額に対して消費税は計算されるので「8,000円」と表示されていますが、3月21日~3月31日の消費税は計上されていません。

■税転嫁で[内税/請求時]を選択している場合の注意点

※取引先の締日と自社の会計期間が異なる場合
内部的に消費税が仮計上されているため、取引先の締日と自社の会計期間が異なる場合でも、売掛残高一覧表で表示される[消費税]は、指定している月度の売掛に対する消費税額と一致します。
以下の例で説明します。

例)自社会計期間1日~末日
D商事 [税転嫁]内税/請求時 締日毎月20日
3月度売上額(3/1~3/31)・・・売上額110,000円、消費税額10,000円
3月20日請求書(2/21~3/20)・・・売上額80,000円、消費税額8,000円

3月20日が請求締切なので、3月21日~3月31日分の売上はまだ締め切りされていませんが、
3月1日~3月31日までの売上額「100,000円」×10%で「10,000円」が消費税として表示されます。

■税転嫁で[内税/総額][内税/請求時]を選択している場合の注意点

消費税額は明細単位で計算されるため、レポートを商品別で集計した場合は、伝票単位の消費税と誤差が発生する可能性があります。

■税転嫁で[外税/請求時調整]を選択している場合の注意点

  • 伝票ごとの消費税が計上されますが、伝票登録時の消費税額と請求締切時の消費税額で差額が発生した場合は、請求締切時に「調整額」として差額を計上します。
  • 請求締切前でも、現時点での売掛金にかかる消費税額を把握することができます。

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