実績資金繰り表は、資金繰り項目を設定し、設定した項目について月度単位でデータを集計して作成します。
複合仕訳で「諸口」扱いの仕訳の集計
振替伝票の仕訳で「諸口」が適用される場合、資金口座科目の相手方の勘定科目が「諸口」として展開されます。その仕訳データから資金繰り表の集計を行うと、弥生会計では、その資金の収入と支出は、それぞれ「その他経常収入」、「その他経常支出」の項目に集計されます。正確に反映させたい場合は、単一仕訳で入力する必要があります。
資金繰り項目の設定
実績資金繰り表では、[資金繰り項目設定]で、借方項目と貸方項目に「資金科目」が設定された勘定科目を使った仕訳が集計対象です。
初期設定の勘定科目には資金繰り項目が設定されています。資金繰り項目の初期設定を変更することもできますが、通常は初期設定のまま使用して問題ありません。
追加した勘定科目がある場合は、資金繰り項目が「指定なし」になっているため、資金繰り項目を設定する必要があります。
「資金科目」の設定について
「資金科目」を設定する場合、借方項目、貸方項目ともに「資金科目」を設定してください。借方項目または貸方項目の一方だけに「資金科目」を設定した勘定科目は正しく集計されません。
- [拡張機能]メニューの[資金繰り]を選択し、[資金繰り項目設定]をクリック、またはクイックナビゲータの[資金繰り]カテゴリの[資金繰り設定]をクリックします。[資金繰り項目設定]画面が表示されます。
- 勘定科目ごとに、借方の資金繰り項目、貸方の資金繰り項目を設定します。
より正確な集計を行うには
資金繰り表の集計項目として集計値が「0」(ゼロ)となるときは、勘定科目の設定や仕訳の方法で、より正確な資金繰りの細分集計をすることができます。下記にいくつかの例を示します。
- 現金売上(経常収入)
現金/売上の仕訳がない場合(「売掛金/売上」→「現金/売掛金」の処理を行っている場合)は、現金売上は生じません。この場合、売掛金勘定で得意先管理を兼ねていることが多いため、現金売上が常に「0」(ゼロ)でもかまいません。なお、現金仕入の場合も同様です。 - 未払金・前払金(経常支出)
支払先としての仕入先を一元的に統一管理するため、支払勘定の科目に「買掛金」を使用している場合は、「未払金・前払金」の支払いは生じません。しかし、設備などの支払いは、未払金を用いて「未払金・前払金」支払に集計させたいという場合は、設備購入時点で、次のような仕訳を行ってください。仕訳 (借)機械装置 ××× / (貸)未払金 ××× - 受取手形割引(経常収入)
受取手形の割引時の仕訳には、次の2つの方法があります。(間接法) (借)現金預金 ××× / (貸)割引手形 ××× (直接法) (借)現金預金 ××× / (貸)受取手形 ××× 手形割引時の借方は資金科目なので、資金繰り表には収入項目として表示します。ただし、集計される資金繰り項目は資金繰り設定で設定した項目になります。
<間接法の場合>割引手形(貸方)の金額は「受取手形割引」の項目へ集計されます。
<直接法の場合>受取手形(貸方)の金額は「受取手形期日取立」の項目へ集計されます。
直接法では、期日取立と割引が同一の仕訳となるので「受取手形割引」は発生しません。
実績資金繰り表の作成
実績資金繰り表を作成します。実績資金繰り表では、資金繰り項目設定に基づいて、集計が行われます。集計結果を修正することはできません。
- [拡張機能]メニューの[資金繰り]を選択し、[実績資金繰り表]をクリック、またはクイックナビゲータの[資金繰り]カテゴリの[実績資金繰り表]をクリックします。[実績資金繰り表]画面が表示されます。
- [集計]([F5])をクリックします。[決算仕訳]で「含む」を選択すると、決算仕訳を含んだ集計を行うことができます。
- 実績資金繰り表を印刷するには[印刷]をクリックします。 集計表や各種一覧表の印刷 データのエクスポート
実績資金繰り表に集計される仕訳形式と資金繰り項目の関係
実績資金繰り表に集計される仕訳の形式と資金繰り項目の関係については 実績資金繰り表に集計される仕訳形式と資金繰り項目の関係 を参照してください。