決算では、当期のもうけを確定するために、当期に販売した売上原価(=当期に販売した商品の仕入高)を計上します。決算期に行う実地棚卸しは、その売上原価を計算するために必要な作業です。
<棚卸資産の評価方法>
同じ商品を仕入れても、仕入れた時期や仕入先の違いによって、商品の単価が異なることがあります。この結果、商品を売り上げたときの払い出し単価を決定するため、棚卸資産の評価方法を決定する必要があります。棚卸資産の評価方法は以下のとおりです。
評価方法 | 内容 |
個別法 | 個々の取得単価で計算する方法 |
先入先出法 | 先に仕入れた商品から販売して、最も新しく仕入れた商品が残っているとみなして、単価を計算する方法 |
総平均法 | 期首と当期の取得価額と数量から平均単価を計算する方法 |
移動平均法 | 商品を仕入れる都度、平均単価を計算する方法 |
最終仕入原価法 | 最後に仕入れた商品の取得単価で計算する方法 |
売価還元法 | 期末の在庫の売価に、その年の原価率をかけて原価に戻し、単価を計算する方法 (取扱品種のきわめて多い小売業などで適用される) |
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<売上原価の算出例(最終仕入原価法の場合)>
- ・期首商品棚卸高(期首の在庫) ジュース 2個 単価:50円
- ・当期商品仕入高(1回目) ジュース 5個 単価:50円
- ・当期商品仕入高(2回目) ジュース 2個 単価:60円
- ・期末商品棚卸高(期末の在庫) ジュース 3個 単価:60円
弥生会計(やよいの青色申告)での決算整理仕訳の入力
決算整理仕訳は、[振替伝票]から入力します。●仕訳例
商品の実地棚卸しを行った結果、次の内容が確認できたため決算整理仕訳を行った。
- ・期首商品棚卸高:1,000,000円
- ・期末商品棚卸高: 800,000円
借方 | 貸方 | 概要 | ||
期首商品棚卸高 | 1,000,000 |
商品 | 1,000,000 |
期首商品棚卸 |
商品 | 800,000 |
期末商品棚卸高 | 800,000 |
期末商品棚卸 |
帳簿の入力
<業務情報>
決算時の棚卸の仕訳は?
<関連リンク>
棚卸しとは?目的とやり方、勘定科目と仕訳方法