1.決算整理業務
2.法人税や消費税の計算
3.取締役会や株主総会の承認
4.申告・納税
1.決算整理業務
決算日までの日々の取引の入力作業や毎月の試算表の作成などの業務が終わると、次は決算の業務です。
●決算で行う業務
・実地棚卸
工場や店舗などの実地棚卸をします。
在庫の数を調べ、棚卸表を作成します。
・売掛金や買掛金、未払金の仕訳
入金や支払いが翌期になるものを整理し、仕訳を作成します。
各科目の仕訳につきましては、以下のページを参照してください。
決算時に売掛金として計上する仕訳は?
決算時に買掛金として計上する仕訳は?
決算時に未払金として計上する仕訳は?
・経過勘定項目の確認
支払いは済んでいるが、翌期の費用になるものを「前払費用」や「前払金」にしているか、
入金はあるが、翌期の収益になるものを「前受収益」や「前受金」にしているかを確認します。
・減価償却
所有する固定資産がある場合には、減価償却費を計上します。
減価償却費の計算方法につきましては、以下のページを参照してください。
減価償却費の概要と償却方法
・決算の内容のチェック
決算に必要な数字がすべて揃ったら、再度間違いがないか確認します。
チェックポイント
勘定科目 | チェック項目 |
現金 | 帳簿残高と手許残高が一致しているか |
当座預金・普通預金 | 帳簿残高と残高証明書の金額が一致しているか |
棚卸資産 | 数量、単価、計算に間違いがないか 決算直前に仕入れた商品の漏れがないか |
売掛金 ・未収金 | 各得意先別の残高が正しいか |
貸付金 | 他社や役員などへの貸し付けで、利息の計上漏れがないか |
前払費用・前払金 | 翌期に繰り延べる費用を前払いにしたか |
固定資産 | 償却額は適正か 修繕費と資本的支出の判断は適正か リース資産の処理に間違いはないか 少額資産等の判定は妥当か |
買掛金 | 各支払先別の残高は正しいか |
未払費用・未払金 | 決算月の請求書で漏れがないか |
借入金 | 帳簿残高と残高証明書の金額が一致しているか |
前受収益・前受金 | 翌期に繰り延べる収益を前受けにしたか |
預り金 | 所得税や社会保険料などの残高は適正か |
売上高 | 漏れはないか 締日から決算日までの売上を計上したか |
仕入高 | 漏れはないか 締日から決算日までの仕入を計上したか |
給料手当 | 賃金台帳と帳簿の金額に間違いがないか |
交際費など | 交際費や会議費などのうち、交際費になるものならないものの判断は適正か |
貸倒引当金 貸倒損失 |
貸倒れの見積りが適正か |
雑収入 | 内容は適正か |
支払利息 | 前払利息の計上は適正か (保証料などが一括で経費になっていないか) |
2.法人税や消費税の計算
決算業務とそのチェックが終わったら、法人税や消費税の計算を行います。計算が終われば、その結果を再度帳簿付けします。
【例】
決算処理が終わったので、法人税と消費税の金額を計算した
【仕訳】
・法人税(納付額が500,000円の場合)
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
法人税・住民税及び事業税 | 500,000円 | 未払法人税等 | 500,000円 | 確定法人税等 |
消費税は税抜経理と税込経理のどちらが採用されているかによって、仕訳方法が異なります。
詳しくは以下のページを参照してください。
消費税の清算仕訳はどうしたらよいですか?
3.取締役会や株主総会の承認
法人税や消費税の計算、帳簿付けが終わったら、決算書などの計算書類を作成します。決算書などの計算書類は、取締役会(設置している場合)や株主総会に提出し、承認を得ます。
4.申告・納税
取締役会や株主総会で承認を受ければ、確定申告書を作成し税務署などに提出、納税します。提出書類の一覧や納税の流れにつきましては、以下のページを参照してください。
法人税の申告(確定申告)で提出する書類は何ですか?
法人税や消費税、法人住民税、法人事業税の納付について